平成16416()

国立京都国際会館

アトピー皮膚科医がアトピーを語る

アトピー性皮膚炎の一生

−私の考える憎悪因子とその対策

私自身、アトピー性皮膚炎と付き合って43年になります。私自身の経過を振り返り、今後の経過も予測し、アトピー性皮膚炎の一生について考察したいと思います。

乳児期は顔面の浸潤した紅斑から始まり次第に体幹、四肢に拡大しますが、この頃は、私自身は比較的綺麗な肌をしていたようです。幼少時期から学童期は皮膚は乾燥し、苔癬化してきました。小学校でアトピーの子供はクラスに私一人でした。辛い物を食べたり、体育で汗をかいたりすると痒くなりました。中学受験、高校受験、大学受験時にはストレスで悪化し、次第に赤鬼様顔貌になりました。ストレス発散にはテニスが良かったのですが、汗で痒くなるというジレンマがありました。大学院時代は実験でマウスの世話に動物棟に入ったり、教授に叱られたりすると痒くなりました。

 ストレス発散は温泉でリラックスでしたが、熱いお風呂に入ると痒くなるジレンマがありました。夜痒くて寝られないので、良い香りを焚いたり(アロマ療法)、ヒーリングミュージックを聴いたりしてリラックスを心掛けました。

 発汗自体は皮膚に良く、汗の刺激が悪いことを知っていましたので、その解決方法としては逆説的ですが、サウナを試したところ皮膚の状態が良くなったので、今回患者さんにアンケートを施行したところ興味ある結果が得られました。

2005-2011 Ishiguro Hihuka Allright Reserved